私がひとりぼっちだったころ

病気になる前、

私は百貨店の食品売り場で

レジの仕事をしていました。

もともと体の弱かった私は、

どうしても疲れて

起き上がれない日が度々ありました。


初めはやさしかった上司も、

私が急に体調を崩して休む日が重なると

段々と態度がきつくなりました。

そしてあるとき、上司に怒鳴られてしまいました。

急に休んでしまうことが多かった私は、

そのことで自分を責めていましたから、

上司に何も言い返せませんでした。


そのまま私は職場に行けなくなりました。


精神科に掛かったら、

休養を取ることを強く勧められました。

診断書を職場に提出し

とりあえず「休職」という形で仕事を休むことにしました。


そうなると、

仲が良かった

職場の同期も先輩もバイトの子も、

誰も連絡をくれなくなりました。

「寝てるかもしれないと思うと気楽に電話できなかった」と

あとで教えてくれました。


趣味の仲間が私を心配して

ホームパーティに誘ってくれたことがありました。

久しぶりに楽しい時間を過ごしましたが、

そのあと3日間寝込んでしまいました。


そのときわかりました。

「ああ私は、

みんなと普通に遊ぶこともできないくらい

病んでしまっているんだ」


それ以来友達が誘ってくれても

断るしかありませんでした。

仲のよかった友達もだんだんと

連絡をくれなくなりました。


そうして私はひとりぼっちになりました。


誰も来ないアパートの一室で、

ケータイにダウンロードした音楽に

すがりつくような気持ちで、

自分の気持ちを投影していました。

誰かにきてほしかった。

話しを聴いてほしかった。

アドバイスなんていらなかった。

ただ聞いてくれるだけでよかったのに

誰も私を見付けてくれませんでした。


あの頃の私と、

同じ気持ちでいる人に

ひとりじゃないよ、ここにいるよ、

そう伝えたくて

ピアサポートアウトリーチを始めました。



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訪問相談事業さくらんぼ会

埼玉県北本市を中心に活動している 「訪問相談事業さくらんぼ会」です。ピアサポートアウトリーチの活動をしています。 私たちの考え方を書いています。