育て方のせいではありません

私が一番病気でつらかった時、

育ててくれた両親をとても憎んでいました。

自分がいじめられたこと、

社会に適合できないこと、

パワハラにあったこと、

そして働けないこと、

そうなったことの原因を探して、

自分の不幸の原因を親の育て方のせいにしてしまったからでした。


その時の私の気持ちは、いつも「過去」にありました。

「ああだったからこうなった」

不幸な過去と不幸な今を因果関係で結びつけて、

そのすべては育て方のせい!

自分の中では完璧な理論が出来上がっていました。


病院につながって、薬を飲んで、カウンセリングを受ける中で、

あるいは、自分の病気について学ぶ中で、少し元気を取り戻した頃、

「もしかして被害妄想だったのかな」と考えるようになりました。

元気になってくるにつれて、

子どもの頃の親との楽しかった思い出を

思い出せるようになりました。


そんな私も結婚して子供を授かりました。

そして、自分が親になってみて、

思い描いていた理想の親になれない現実に

ぶつかるようになりました。


私はこんなダメな親なのに、子どもはすくすくと成長していきます。

優しいいい子に育ってゆくわが子をみて、

「育て方」の正解など初めからどこにもないことに気づきました。

そして、自分の親がどれだけ頑張っていたか、解るようになりました。

「お父さんお母さんありがとう」

私の両親はすでに他界しましたが、

この言葉は、出来れば親が生きている時に

伝えたかったと思います。


「育て方のせいだ!」

「辛いんだね。でもね、育て方のせいじゃないんだよね。

色んな原因が絡み合って今のつらい状況があるんだよね。

犯人捜しはもうやめて、これからどうするかを一緒に語り合おうよ」


あの頃の私に誰かがそういってくれたら、もっと違ったのかな?

「あなたはどんな自分になりたいですか。本当はお父さんお母さんが大好きなんじゃないですか?」


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訪問相談事業さくらんぼ会

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